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DAC8・CARF完全解説:2026年の仮想通貨税制報告義務と日本のXMR・モネロへの影響

MoneroSwapper Team · · · 2 min read · 77 views

DAC8・CARF完全解説:2026年の仮想通貨税制報告義務と日本のXMR・モネロへの影響

2026年は、暗号通貨(仮想通貨)に関する国際的な税制の大転換期となっています。OECD主導のCARF(Crypto-Asset Reporting Framework)と欧州連合のDAC8(Directive on Administrative Cooperation 第8弾)の施行により、世界中の取引所・仲介業者が税務当局への取引情報の自動報告を義務付けられます。本記事では、これら新しい税制枠組みの内容、日本の暗号資産税制との関係、そしてプライバシーコインであるモネロ(XMR)の取り扱いについて、詳しく解説します。

第1章:CARFとは何か — OECDの暗号資産報告フレームワーク

1-1. CARFの背景と目的

CARF(Crypto-Asset Reporting Framework)は、OECDが2022年に発表し、2023年10月に最終版が公表された国際的な税務情報自動交換の枠組みです。従来の共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)が銀行口座・金融資産を対象としていたのに対し、CARFは暗号資産を明示的に対象に加えたものです。

CARFが生まれた背景:

  • 税収の漏洩防止:暗号資産取引による利益が適切に申告されていないケースが増加
  • 規制の国際協調:各国が個別に対応するのではなく、G20・OECDが統一ルールを策定
  • FATF勧告との整合:AML(マネーロンダリング対策)との一体的な推進
  • DeFiとNFTへの対応:従来のCRSでは補足できなかった新しい暗号資産形態への対応

1-2. CARFの主な対象者と報告義務

CARFの下では、以下の事業者が「報告対象暗号資産サービスプロバイダー(RCASP)」として規制されます。

  • 中央集権型取引所(CEX)
  • 暗号資産ブローカー・ディーラー
  • ATM運営業者
  • 一定の条件を満たすDeFiプロトコル
  • NFTマーケットプレイス(一定規模以上)

報告対象となる情報:

  • ユーザーの個人識別情報(氏名、住所、TIN:納税者識別番号)
  • 暗号資産の種類(ビットコイン、イーサリアム、ステーブルコイン等)
  • 取引金額(法定通貨建て)
  • 入出金・交換・転送の区分
  • 報告年度の暗号資産残高

1-3. CARFのタイムラインと参加国

2023年11月、48カ国がCARFの早期導入を宣言しました(Early Adopters Group)。これらの国々は2027年から相互情報交換を開始することを目標としています。

主要参加国(一部):

  • 欧州連合加盟国(フランス、ドイツ、オランダ等)
  • 英国
  • カナダ
  • オーストラリア
  • シンガポール
  • ケイマン諸島、英領バージン諸島等のオフショア金融センター

注目点:日本はCARFの早期採用国グループに参加していませんが、OECDメンバーとして将来的な採用が見込まれています。

第2章:DAC8 — EUの暗号資産報告指令

2-1. DAC8の概要

DAC8(第8次行政協力指令:Directive 2023/2226)は、EU内においてCARFと同等の暗号資産報告義務を定めた指令です。2023年10月17日にEU官報に掲載され、加盟国は2025年12月31日までに国内法に移植し、2026年1月1日から適用が始まっています。

DAC8の特徴:

  • CARFとほぼ同等の報告義務をEU法として法制化
  • EU加盟国の税務当局間での情報自動交換が強制される
  • EU域外(第三国)との情報交換は各国の二国間租税条約による
  • プライバシーコインを含むすべての「暗号資産」が対象(ただし、UCITS等の規制済み金融商品は除外)

2-2. プライバシーコインへの具体的な言及

DAC8の重要な点は、プライバシーコイン(匿名コインとも呼ばれる)に関する明確な言及です。モネロ(XMR)、Zcash(ZEC)、Dash(DASH)等のプライバシー強化機能を持つ暗号資産についても報告義務の対象とされています。

ただし、技術的な課題があります:

  • モネロのトランザクションは暗号化されており、取引所でも個々の取引の詳細を完全には把握できない場合がある
  • プライバシーコインの取引報告については、「利用可能な情報を報告する」という現実的なアプローチが取られる見通し
  • EU加盟国の一部取引所がすでにプライバシーコインの取り扱いを停止しているのは、この規制への対応が一因

2-3. DAC8の罰則と執行

報告義務違反に対する罰則は各加盟国の国内法で定められますが、指令では以下のような基準が示されています:

  • 重大な違反(報告の故意による不履行等):最低15万ユーロ以上の制裁金
  • 軽微な違反(不正確な情報の報告等):最低5万ユーロ以上の制裁金
  • 加盟国はより厳しい制裁を設けることができる

第3章:日本の暗号資産税制とCARF/DAC8の関係

3-1. 日本の現行暗号資産税制

日本における暗号通貨の税務申告ルールは、国税庁が定めるガイドラインに基づいています。2022年以降、法人と個人の扱いに大きな違いが生まれています。

個人の場合:

  • 暗号資産の売却益・交換益は「雑所得」として課税
  • 総合課税(他の所得と合算)のため、最大55%の税率が適用される場合がある(所得税45%+住民税10%)
  • 年間の雑所得が20万円を超える場合は確定申告が必要
  • 損失の繰越控除は不可(雑所得として総合課税)
  • 暗号資産同士の交換(例:BTC→XMR)も課税イベントとなる

法人の場合(2023年度税制改正以降):

  • 自社発行の暗号資産を除き、継続的に保有する暗号資産は期末時価評価が不要になった(一定条件のもと)
  • 事業関連の暗号資産損益は法人税の対象

3-2. 日本のトラベルルール(改正資金決済法)

2022年の改正資金決済法により、日本の暗号資産交換業者はトラベルルールの義務を負っています。

  • 10万円相当以上の暗号資産の送受信の際、送付人・受取人の情報の共有が義務付けられた
  • FATF勧告に基づく措置で、国際的なAML・CTF(テロ資金供与対策)の枠組みに沿ったもの
  • ウォレットアドレスと顧客情報の紐付けが必要になる場面が増える

このトラベルルールは、CARFが目指す情報収集体制と密接に関連しており、将来的なCARF採用の基盤となっています。

3-3. 日本のCARF採用の見通し

日本は現時点でCARF早期採用国グループには参加していませんが、以下の動向から将来的な採用が予想されます:

  • G7・G20での国際的な合意形成において日本は積極的に参加
  • OECDメンバーとして、CARFへの対応は不可避
  • 金融庁(FSA)および国税庁が国際的な情報交換枠組みを既に活用(CRS等)
  • 2024〜2026年の税制改正大綱でCARF対応の国内法制化が議論されている

第4章:モネロ(XMR)とCARF/DAC8:プライバシーコインへの具体的影響

4-1. モネロとCARF報告の技術的課題

CARFおよびDAC8の下でモネロを扱う取引所に生じる最大の課題は、その強力なプライバシー技術です。

  • 送受信者の匿名性:モネロのステルスアドレスにより、受信者のアドレスは毎回変化し、外部からは受信者の特定が困難
  • 取引金額の秘匿:RingCTにより、取引金額は暗号化されており、当事者以外は閲覧できない
  • 送信者の匿名性:リング署名(FCMP後はさらに強化)により、送信者の特定が実質的に不可能

これらの特性から、取引所が持つモネロ関連の情報は限定的です:

  • 取引所内での入出金記録(KYC済みユーザーと紐付け)
  • 取引所ウォレットへの入金・出金のXMR金額
  • ただし、ブロックチェーン上での動きは取引所でも把握困難

4-2. プライバシーコインへの規制強化の動向

DAC8・CARFの文脈で、プライバシーコインに対する規制当局の姿勢は明確に厳しくなっています。

欧州の動向:

  • フランス、ドイツ、オランダ等の主要EU加盟国の取引所が順次XMRの上場廃止を実施
  • MiCA(Markets in Crypto-Assets)規制でプライバシーコインの取り扱い制限に関する議論が継続

米国の動向:

  • FinCEN(金融犯罪執行ネットワーク)がCVCMT(暗号通貨ミキシングサービスへの規制提案)を提案
  • 財務省がモネロを含むプライバシーコインの規制強化を研究
  • Kraken等がすでに米国ユーザー向けのXMR取引を停止

4-3. プライバシーと税務コンプライアンスの両立

重要な点として、モネロにはView Key(閲覧キー)という機能があります。これは、ウォレット所有者が第三者(税務当局や監査人)に対して、自分のトランザクション履歴を選択的に開示できる仕組みです。

  • Private View Key:受信トランザクションのみ開示可能(送信は含まない)
  • Full View Key(Seraphisで実装予定):全トランザクション(送受信)の閲覧が可能

この選択的開示機能を活用すれば、ユーザーは自分のプライバシーを守りながら、必要に応じて税務申告に必要な情報を当局に提供できます。これはモネロが「違法な取引のための通貨」ではなく、「プライバシーを重視する正当なユーザーのための通貨」であることの証明でもあります。

第5章:2026年の暗号通貨税務申告実務

5-1. 日本居住者のXMR取引の申告方法

日本の税法上、モネロ(XMR)を含む暗号資産の取引は適切に申告する義務があります。以下に申告の基本的なポイントを示します。

課税イベントとなる取引:

  • XMRを日本円や外貨で売却した場合
  • XMRを他の暗号資産(BTC、ETH等)と交換した場合
  • XMRで商品・サービスを購入した場合
  • マイニングで獲得したXMR(獲得時の市場価格が収入)

課税対象にならない取引:

  • XMRを保有しているだけ(売却・交換なし)
  • 自分のウォレット間での移動(ただし、ノンKYCサービスを使った場合の証明が必要になる場合がある)
  • XMRを購入した場合(購入自体は課税されない)

5-2. 取得価額の計算方法

日本の暗号資産税務では、取得価額の計算方法として以下が認められています:

  • 総平均法:全取得コストの平均を取得価額とする(デフォルト)
  • 移動平均法:取引のたびに平均取得価額を更新する(届け出が必要)

XMRの場合、市場価格の記録が重要です。モネロは日本の主要取引所では取り扱われていないため、海外取引所や海外の価格データプロバイダー(CoinGecko、CoinMarketCap等)の価格を参照して円換算での取得価額を記録してください。

5-3. MoneroSwapperでのスワップと税務申告

MoneroSwapperのようなノンKYCスワップサービスを利用してBTC/ETHをXMRに交換した場合の税務処理:

  • スワップ時点でBTC/ETHを「売却」したとみなされ、取得価額との差額が課税対象
  • 取得したXMRの取得価額は、スワップ時点での市場価格(BTC/ETH→XMR換算)で計算
  • スワップの記録(日時、交換した通貨の種類と数量、市場価格)を必ず保存しておく

注意:ノンKYCサービスを利用した取引も、日本の税法上は申告義務があります。スワップサービスがCARF対象業者でない場合でも、ユーザーは自主的に申告する義務があることを忘れないでください。

第6章:CARF・DAC8に対応するための実践的アドバイス

6-1. 取引記録の管理

CARF・DAC8の時代において、取引記録の適切な管理はこれまで以上に重要です。以下のツールや方法を活用してください。

記録すべき情報:

  • 取引日時(タイムスタンプ)
  • 取引の種類(購入・売却・交換・マイニング等)
  • 暗号資産の種類と数量
  • 取引時の市場価格(円換算)
  • 取引手数料
  • 取引所またはサービス名
  • トランザクションID(ブロックチェーン上の証拠)

おすすめの管理ツール(日本語対応):

  • Cryptact(クリプタクト):日本の暗号資産税務計算に特化。多くの取引所に対応。
  • Gtax(ジータックス):日本の税法に準拠した計算が可能。
  • BTC Checker:シンプルな計算に使えるツール。

6-2. 海外取引所の利用と申告義務

CARFの施行により、海外取引所の取引情報が将来的に日本の税務当局に共有される可能性があります。

  • 早期採用国(48カ国)に所在する取引所は、2027年以降に情報交換を開始する予定
  • たとえ現時点で情報が共有されていなくても、申告義務は存在する
  • 過去の無申告については、修正申告または期限後申告を早めに行うことが得策
  • 税理士(暗号資産に詳しいもの)への相談を推奨

6-3. プライバシーコインと税務当局への対応

モネロのView Keyを活用した対応:

  • 自分のウォレットのPrivate View Keyを安全に管理する
  • 税務調査があった場合、View Keyを提示することで取引履歴を証明できる
  • ただし、View Keyを提示する義務があるかどうかは各国の法律による(専門家に相談を)

第7章:DeFiとCARFの関係

7-1. 分散型取引所(DEX)はCARFの対象か

CARFの最終ガイダンスでは、完全に分散型のDEX(管理者が存在しない)はRCASP(報告対象業者)の対象外とされています。しかし、「フロントエンドオペレーター」が存在するケースや、実質的に管理されているDEXは対象となる場合があります。

モネロのアトミックスワップ(完全に分散型)は現時点ではCARF対象外と解釈される可能性が高いですが、将来的な規制変更に注意が必要です。

7-2. ステーブルコインとCARF

USDT、USDCなどのステーブルコインもCARFの報告対象です。ただし、OECDのガイドラインでは、価格の安定したステーブルコインについては、一部の報告要件が簡略化される可能性が示されています。

まとめ:税務コンプライアンスとプライバシーを両立する時代

CARF・DAC8の施行は、暗号通貨投資家にとって大きな環境変化をもたらします。特にプライバシーコインであるモネロ(XMR)を保有・利用するユーザーは、規制の動向を注意深く見守る必要があります。

しかし、重要なのは以下の点です:

  • 適切な税務申告は、プライバシーの追求と矛盾しない。モネロのView Key機能を活用すれば、プライバシーを守りながら税務コンプライアンスを達成できる。
  • ノンKYCサービスを利用しても、利用者の申告義務は消えない。自主的な適切な申告が最善の対応。
  • 日本のCARF採用は時間の問題。今から記録管理と申告習慣を整えておくことが重要。

MoneroSwapperは、プライバシーを重視するユーザーのためのXMRスワップサービスとして、引き続きノンKYCでの交換サービスを提供します。税務申告については、利用者が各自の責任で正確に対応されることをお勧めします。暗号資産税務に精通した税理士や弁護士へのご相談も、適切な対応のために非常に重要です。

金融のグローバル化とデジタル化が進む中、プライバシーと透明性のバランスをどのように保つかは、私たち一人一人が向き合う課題となっています。モネロのような技術革新と、CARFのような制度的枠組みの間で、最適な選択を行うための情報を常に更新していきましょう。

第8章:日本の暗号資産税務申告の実践ガイド(2026年)

8-1. 確定申告の手順と注意点

日本の暗号資産に関する確定申告は、毎年2月16日から3月15日の間に行います。国税庁が提供する「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、オンラインで申告書を作成できます。暗号資産の損益計算には、Cryptact(クリプタクト)やGtax(ジータックス)などの専門ツールを使うと、複数の取引所の取引データを一括で集計・計算できるため便利です。これらのツールの多くは、主要取引所のCSVエクスポートデータを直接インポートできます。MoneroSwapperのようなノンKYCサービスを利用した取引については、サービスから出力される取引記録(日時、交換通貨、数量)と、その時点でのXMRの市場価格(CoinGeckoやCoinMarketCapなどで確認)を手動で記録し、計算ツールに入力する必要があります。確定申告書の提出に当たっては、取引記録の根拠となる資料(取引所のログ、スクリーンショット、ウォレットの取引履歴など)を少なくとも5年間保管しておくことをお勧めします。国税局の調査があった際に、これらの資料が証拠として機能します。

8-2. 暗号資産に詳しい税理士の活用

暗号資産の税務は複雑であり、特にモネロのようなプライバシーコインの取り扱いについては、一般の税理士でも精通していない場合があります。暗号資産専門の税理士や、暗号資産の税務に詳しい税理士への相談を検討してください。費用はかかりますが、誤った申告による追徴課税(本税・加算税・延滞税)のリスクを考えれば、専門家への相談は経済的にも合理的です。特に、年間の暗号資産取引額が大きい場合や、複数の取引所・スワップサービスを利用している場合、DeFi(分散型金融)を活用している場合は、専門家への相談を強くお勧めします。日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)や、税理士法人の暗号資産専門チームなどのリソースも活用してください。

8-3. 将来のCARF採用に向けた準備

日本が将来的にCARFを採用した場合、国内の暗号資産交換業者は外国税務当局への情報報告義務を負う可能性があります。また、日本のユーザーが利用している外国の取引所の情報が日本の国税庁に提供される仕組みも整備される見通しです。このような情報交換体制が整備された際に最も打撃を受けるのは、過去に適切な申告を行っていなかったユーザーです。今から適切な記録管理と申告習慣を確立することが、将来への最善の備えです。また、CARFが採用されても、MoneroSwapperのようなノンKYCサービスはCARFの対象業者(RCASP)に当たらない可能性が高く、そのようなサービスを通じた取引はCARFによる自動報告の対象外となる場合があります。ただし、これはユーザーの申告義務を免除するものではありません。自主的な適切申告が常に最善の対応です。国税庁の税務調査において、暗号資産取引の調査能力は年々向上しており、申告漏れのリスクは増大しています。誠実な申告こそが、長期的に見て最も安全な選択です。

第9章:実践的な税務管理ツールと国際比較

9-1. 日本の暗号資産税務管理ツール

暗号資産の税務申告を効率化するためのツールを活用することをお勧めします。Cryptact(クリプタクト)は日本の暗号資産税務計算に特化したサービスで、国内外の主要取引所のCSVデータを自動で取り込み、総平均法・移動平均法の両方で損益計算を行えます。有料プランでは確定申告書類の自動作成機能も提供されています。Gtax(ジータックス)は同様の機能を持ち、DeFiトランザクションにも対応しています。これらのツールはMoneroSwapperのようなノンKYCサービスの取引には対応していない場合が多いため、そのような取引は手動で入力する必要があります。ノンKYCサービスでの取引記録は、日時、交換した通貨の種類と数量、市場価格(円換算)を必ず手動で記録しておいてください。記録フォーマットとしては、Excelスプレッドシートに日時・通貨ペア・数量・市場価格・手数料を記録する方法がシンプルで効果的です。市場価格の確認にはCoinGeckoやCoinMarketCapの「Historical Data(履歴データ)」機能を使用すると、過去の日付のXMR価格(円換算)を調べることができます。

9-2. 国際的な税制比較:各国の暗号資産課税

参考として、主要国の暗号資産課税方法を比較します。日本は暗号資産の利益を雑所得として総合課税し、最大55%の税率が適用されます。これは先進国の中でも最も高い税率の部類に入り、頻繁な取引では税負担が重くなりがちです。米国では暗号資産を「財産(Property)」として課税します。1年以上保有した場合の長期キャピタルゲイン税率は0〜20%であり、短期保有(1年未満)は通常の所得税率(最大37%)が適用されます。日本との大きな違いは損益通算(他の資産の損失と相殺できる)と損失の繰越控除(3年間)が認められている点です。ドイツでは1年以上保有した暗号資産の売却益は非課税となる制度が存在しており、長期投資家にとって有利な環境です。ポルトガルは2023年までは暗号資産への課税が極めて緩やかでしたが、2023年以降は一定の条件のもとで課税が開始されています。日本においても、暗号資産課税の見直しに関する議論は継続しており、将来的には申告分離課税(一律20%程度)への移行が業界から求められています。個人投資家としては、規制動向を注視しながら、適切な税務戦略を検討することが重要です。

9-3. モネロのView Keyと税務申告の実践例

モネロのView Key(閲覧キー)を税務申告に活用する具体的な方法を説明します。モネロウォレットのView Keyとは、そのウォレットが受信したトランザクションを閲覧(スキャン)できるキーです。このキーを使うことで、ウォレットに受信したXMRの金額と日時を第三者が確認できます。税務調査が行われた場合、View Keyを提示することでウォレットの受信履歴を証明できます。ただし、現在のPrivate View Keyは受信トランザクションしか開示できず、送信トランザクションは含まれません。Seraphisで実装予定のFull View Keyを使えば、送受信の両方を開示できるようになります。View Keyを使った税務申告の実践例として、まずMonero GUI WalletまたはFeather Walletで「ウォレット」→「キー」→「View Key」を表示します。このView KeyとウォレットアドレスをExcel等に記録しておきます。税務申告時には、ウォレットのGUI/CLIでView Keyを使ってトランザクション履歴を確認し、年間の受信・送信記録を作成します。ただし、View Keyを開示する法的義務があるかどうかは、各国の法律と具体的な状況によって異なるため、専門家(税理士・弁護士)への相談を強くお勧めします。プライバシーを重視しながらも、適切な範囲でコンプライアンスを維持することが、長期的に見て最善の選択です。

まとめ:CARF・DAC8時代の暗号資産ユーザーへのアドバイス

CARF・DAC8の施行は、暗号通貨投資家にとって大きな環境変化をもたらしますが、適切な準備と対応によってリスクを最小化できます。最も重要なのは、今から取引記録を適切に管理し、自主的に正確な確定申告を行う習慣を確立することです。日本がCARFを採用する前に、申告習慣を整えておくことが最善の対応です。プライバシーコインであるモネロ(XMR)を保有・利用する場合も、Tax Compliance(税務コンプライアンス)はしっかりと維持してください。View Key機能を使えば、プライバシーを守りながら必要な情報開示が可能です。MoneroSwapperを通じたXMRの取得は、プライバシーを保護しながら暗号資産を管理するための有効な手段です。ただし、スワップ時点での取引記録は必ず保管し、適切な申告を行ってください。金融のグローバル化とデジタル化が進む中で、プライバシーと透明性のバランスをどのように保つかは、私たち一人一人が向き合う重要な課題です。最新の規制情報を常にキャッチアップし、専門家のアドバイスを活用しながら、賢明な暗号資産管理を実践してください。

第10章:2026年以降の暗号資産税制の展望

10-1. 日本の暗号資産税制改革の見通し

日本の暗号資産税制は、業界団体(JCBA:日本暗号資産ビジネス協会、JVCEA)から長年にわたり改革が求められています。主な要望は、申告分離課税(一律20%程度)の導入、損失の繰越控除(3年間)の認定、暗号資産同士の交換における課税の繰り延べ(非課税扱い)などです。2024年末から2025年の税制改正大綱の議論では、これらの改革に向けた具体的な検討が進んでいます。もし申告分離課税が実現すれば、現在最大55%の税率が20%に大幅に軽減され、日本の暗号資産投資環境が大きく改善されます。損失の繰越控除が認められれば、取引の失敗を将来の利益と相殺できるようになり、リスク管理の観点から重要な変化となります。暗号資産同士の交換課税の見直しについては、モネロを含むプライバシーコインへの交換(例:BTCからXMR)が課税イベントとして扱われる現状が変わる可能性があります。これらの改革が実現するかどうかは不確実ですが、業界の積極的なロビー活動と国際的な規制動向の影響を受けて、近年中に何らかの進展が期待されます。

10-2. グローバルなCARF採用の加速と日本への影響

CARFの早期採用国(48カ国)が2027年から情報交換を開始する予定である一方、日本を含む多くの国がCARF採用の準備を進めています。OECDは2026年以降、CARF採用国の拡大とともに、国際的な情報交換ネットワークの構築を加速する計画です。日本の国税庁はすでにCRS(Common Reporting Standard)を通じた国際的な金融口座情報の交換を実施しており、CARFの採用に必要な法的・技術的インフラの多くがすでに整っています。CARFが採用された場合、日本の居住者が海外の暗号資産取引所に保有する資産情報が国税庁に報告される仕組みが構築されます。これは、海外取引所での無申告取引を行っているユーザーに対して大きなリスクをもたらします。一方で、日本に限らず世界中で暗号資産の無申告問題は大きな課題となっており、CARF採用後も初期の適用・執行には時間がかかることが予想されます。しかし、長期的には国際的な暗号資産課税の協調が進むことは確実であり、今から適切な記録管理と申告習慣を確立しておくことが最も賢明な対応です。

10-3. プライバシーコインの未来と規制との共存

CARF・DAC8の時代においても、プライバシーコインは規制との共存の道を模索しています。モネロのView Key機能による選択的開示、Seraphisで計画されているFull View Keyの実装は、適切な機関への開示を可能にしながら、一般の第三者からはプライバシーを守るという「監査可能なプライバシー」の実現に向けた重要なステップです。欧州のMiCA規制では、プライバシーコインの完全禁止ではなく、適切なリスク管理と開示要件を条件とした取り扱いの可能性が議論されています。米国においても、連邦準備制度理事会(FRB)やFATFが「ゼロ知識証明を使ったAMLに適合したプライバシー保護の技術的可能性」について研究を始めており、プライバシーとコンプライアンスの技術的な両立への関心が高まっています。日本の金融庁も、プライバシー保護技術の進展を注視しており、将来的に技術的な解決策(監査可能なプライバシー)が成熟した場合に、プライバシーコインの取り扱い規制を再評価する可能性はゼロではありません。モネロコミュニティは、規制当局との建設的な対話を続けながら、プライバシー技術の正当性と実用性を社会に示していく必要があります。MoneroSwapperは、この複雑な規制環境の中でも、ユーザーのプライバシーニーズに応えるサービスを提供し続けます。

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